20185/24
ガーデンを学ぶ
~ ガーデン 庭のありかた ~
ライフスタイルの変化によって、庭のあり方は変わってきています。
住む人、使う人によって庭は様々に変化します。
庭は私たちにとって一番身近に感じられる自然なのです。
「心豊かに暮らす」ということを考えた時に、庭は大きな存在になるでしょう。
風の音、土の匂い、四季を感じさせてくれる植物。
その空間があることで思いがけない楽しみや、喜びを得ることができます。
大切な人と過ごす時間、空間は何ものにも変えがたい、かけがえのないものとなります。
自然は、そんな大切なことを私達に教えてくれる存在なのです。
豊かな心は、自然が私たちに与えてくれる贈り物なのかもしれません。
家の持つ雰囲気に相応しいファサードは、家を一層引き立てる効果があります。 流行に流されるのではなく、それぞれの拘りを表現しましょう。
最近は新築するときにデッキやテラスをとりあえず付ける方が多くなってきましたが、中途半端な広さのものは使い勝手が悪く、ただあるだけのものになっている方もいます。
敷地や使い方などで形や広さ、素材は変わってきます。そのように、家と一緒に庭まで考えることは、ムダを省くことに繋がるのです。
将来的なガーデン計画をすることは、大切な事なのです。
① 駐車スペース
車が出入りする道路の幅員や駐車台数、車種などによって決まります。お客様のスペース、屋根の有無なども考慮します。
② アプローチ
道路に面した門から玄関までの道路とその周辺をアプローチといいます。お客様をお迎えする、大切な通路となります。
永い年月が経過することによって、味わい深くなる天然石やレンガなどをお勧めします。
③ ファサード
門柱や表札を含む道路側から見た正面のことをいいます。
家の顔になる重要な部分でもあり、バランスのとれたファサードは家をより一層引き立ててくれます。
ひとつひとつのファサードが街並みをつくっていくのです。造り方次第で、家を素敵に見せることは可能なのです。
④ 立水栓
家を建てる時に庭を考慮して水栓の場所も考えておくと給排水工事が省けます。
車の洗車に使う、手や足を洗う、花壇に水をやるなど、使い方を考えて場所を決めましょう。
⑤ シンボルツリー・グランドカバー
木や草花は、家を引き立てるポイントに成り、温暖化防止にも貢献できる大切なアイテムです。
植物は夏の暑さを和らげてくれたり、四季を感じさせてくれます。
虫が嫌いな方、掃除が苦手な方などにも、それぞれにあった植物をご提案いたします。
⑥ デッキ・テラス
デッキやテラスは素材や広さ等、使う目的によって選ぶ必要があります。まず、誰とどのように使いたいのかを考えましょう。
中途半端な大きさは使い勝手が悪く後悔することにもなりかねません、ライフスタイルに合わせてつくる事がポイントです。
⑦ サービスヤード
屋外の家事作業の場となるスペースです。
洗濯場やゴミなど、キッチンや洗濯機、ゴミ置き場との動線を検討し、使い勝手のよい空間にすることが大切です。
~ リガーデン 庭をリニューアルする ~
理想やライフスタイルが変わっていくと、庭の使い方も変化していきます。
子供が小さいうちに一緒に過ごせる庭をつくりたい。
子供が独立して余裕ができたので心安らぐ庭をつくりたい。
老後は、庭の手入れをして過ごしたい。
こんな時代だから、自分で野菜をつくりたい。
庭をリニューアルすることは、いつもの暮らしに変化をもたらしてくれます。
少しの変化によって、人の気持ちは変わっていくものです。
その変化によって今まで見過ごしていた、小さな喜びに気づくこと、心のゆとりを感じることこそ、庭をつくる意味があるのかもしれません。
~ ガーデンをつくる時のポイント 永く愛せる庭づくり ~
POINT 1 イメージを膨らませましょう。
ほんの少しの準備をすることで、お気に入りのガーデンは手に入るのです。
漠然とガーデンをつくっても、永く愛せるものは手に入りません。まずイメージを固めましょう。
お気に入りの雑誌や本の中から、気に入った写真などを集めます。今では、インターネットから手軽に探すことも出来ます。
雰囲気や色の配色が気に入った!植えてみたい植物や使ってみたい素材、庭とは関係ないけれど好きなものなど、たくさん集めましょう。
POINT 2 何をしたいのか考えましょう。
ご近所などの目線が気になる。昼間カーテンを開けたい。雑草が生えないようにしたい。
無農薬農園を作りたい。お花をたくさん植えたい。子供を目の届く場所で遊ばせたい。
窓辺・インテリアからの景色を楽しみたい。家族や友達を集めガーデンパーティがしたい。など目的を明確にすることで、庭のイメージが固まります。
POINT 3 テーマをつけましょう。
家族と過ごす庭。四季を感じる庭。
リゾートガーデン。アウトドアリビングなど、まず何らかのテーマを決めます。テーマを決めることで色々なアイデアの材料になります。
頭の中にある夢やあこがれを形にしていきましょう。
~ 植物について 樹木・土壌 ~
■樹木
庭の樹木は庭の大きさに合わせて、樹木の大きさを維持していかなければいけません。
庭に植栽してある樹種にもよりますが、ほとんどの樹木は定期的に整枝・剪定しなけれいけません。
剪定で枝を切ることは、樹木にとっては体力を消耗する行為です。
しかも庭の中で生きることは、本来の自然の中で生きるよりもストレスの多い状況で成長していくことになります。そのように体力が弱ったり、強いストレス下の元で成長している樹木は、病気や害虫の被害を受けやすくなります。人や動物と同じ生き物なのです。
そこで私たちは、樹木にできる限りストレスが少ない環境で、かつ元気よく庭の中で成長してもらうための樹木管理・剪定・消毒を心がけています。
<自然風剪定のススメ>
現在までに主流であった庭の剪定技術は、マツやモッコクなど、成長が遅く徒長枝の出にくい樹木が多く植えられていました。
仕立風剪定と呼ばれる刈り込み中心の剪定が基本です。
しかし、最近では自然は嗜好の庭で、癒しを求める傾向が強く、山野に自然に生えている樹木が好まれるようになりました。
ケヤキ、ヤマボウシ、エゴ、コナラといった雑木です。
このように雑木で構成される庭は、山の中の空間を感じることができ、とても心地のよいものです。
ただし、これらの樹木は本来、山の中で大きく育つ性質があるため、仕立風剪定のように刈り込み中心の剪定では、枝葉が暴れるように伸びて、剪定した後に時間が経ってくると、とても見苦しい姿になりがちです。そこで樹木が自然に育つ状態に近い剪定方法が必要となってきます。枝先を一様に剪定するのではなく、大枝を小枝に更新しながら樹形を自然な形に維持していきます。これを自然風剪定と呼びます。
樹木は自然に育つ環境が一番心地よく長く生き続けてくれます。
庭木としての人生を歩む樹木達にできるだけ長く生きてもらうためにも、仕立風剪定よりも、自然風剪定の方が好ましいのです。
また自然風剪定の場合、枝先をすべて落としたりすることはないため、どの時期に剪定を行ったとしても花や実をつけることができます。私たちフェーズでは、樹木管理・剪定の仕事も行っていますが、庭の大きさ、樹木の性質、剪定時期などトータル的に判断を行った上で、適切な剪定方法をお客様にオススメしています。
■土
植栽プランを考える上で重要なのが土です。
植物にとって自分を支えるための土。
水や栄養を吸収するための土。
植物を育てる上で土作りが基本です。
<植物に適した土>
植物に適した土とは・・・
1.根をしっかり張ることができ体を支えることができる土。
2.根には水と空気が欠かせないため保水性や通気性が高く、長い年月の間にもその効果が持続できる土。
3.植物に適した栄養素を含む土。
4.酸度(酸性・アルカリ性)の適した土。
1.については、樹種によって根の張る性質が異なるため、その樹種の根の特性に合った土壌の深さ、広さを十分に確保してあることが大切です。
岩盤があるような場所や、粘土質があるようでは、十分に根を張ることができません。無理に根を張り体を支えようとします。
2.については「水はけがよい」かつ「水もちがよい」という相反した特性を兼ね備える必要があります。
粘土のような握って固まるようであってはいけません。砂のように握って固まらないようでのいけません。
ほどよく崩れる程度の状態が基本です。保水力を上げるために、市販の土壌改良剤を加えるのもひとつの手です。
土壌は月日とともに、通気性の悪い塊の土になっていく性質がありますので日頃から堆肥や土壌改良剤を混入してやることが大切です。
3.については、現在の土の状態や、植物の樹勢、植物の性質などを考慮し、肥料を混入するようにします。
4.植物はすべて、生まれた国の気候・風土の環境を好みます。
その植物がどこの産地であるかを知ることで、その産地の環境に合わせた酸度に調整しましょう。
現在はほとんど酸性よりの土壌であるため、石灰成分などを混入することで酸度をコントロールすることができます。
最後に、土壌を考える際には、その植物が将来どの程度まで大きく育つかを考慮し、あらかじめ植える穴を大きく耕しておきましょう。
将来的な考慮をしておかないと、後々植物が根を張れずに、元気をなくしていきます。そのとき土壌改良するのは困難な作業となります。
~ 環境への配慮 庭から環境へ ~
私たちは地球環境保全としての側面からも、庭造りを考えています。
地球温暖化問題をはじめとして、自然破壊による様々な問題を解消するために、失った自然環境を少しでも取り戻すことは大切なことです。
自然との共生を意識しながら、庭造りのプランも考えてみましょう。
<サンクチュアリガーデン>
ビオトープの創出は、庭という限られた空間だけでは、なかなか難しいことです。本来の生態系を作り出すためには、それぞれの生物に必要な生態域(空間)が存在します。
そこでビオトープ手始めとして、野鳥が成育できる空間を造ることを考えてみましょう。
「サンクチュアリ」とは、保護区、聖域という意味があり、主に野鳥が安心して生活できる環境をいいます。
そのサンクチュアリを造り出した庭を「サンクチュアリガーデン」といいます。
野鳥が庭にやってくるということは、そこに住む毛虫など人間にとっての害虫などを捕食くてくれます。
そして、ひとつの生態系が形成されることで、樹木への消毒散布などの必要性も減ってきます。
野鳥が庭へ訪問してくれることで、リビングにいながらにして自然の中にいるように鳥の声を楽しむことができ、心が癒されます。
巣箱やえさ台を庭に設置するのもよいですが、餌付けするのは鳥たちの餌が少なくなる冬の間に限定し、出来る限り控えめに餌を与えるようにしましょう。
野生の動物が人間によって餌付けされると、本来の自然の中での生活に問題が生じます。
あくまで野生の鳥が庭に訪問してくれる環境づくりが大切です。
~ 素材選び ウッドデッキ編 ~
エクステリア計画を行う場合、デザイン性と同様に重要な要素が、素材選びです。
ガーデンスペースは、雨風に加え、太陽光、排気ガスなど素材を傷める外的要因が多く存在します。
家と同様に長い目でランニングコストを考慮しながら、材料コストが多少上がったとしても、素材選びには慎重になりましょう。
<ウッドデッキ>
リビングとしての庭を考える場合、最近はウッドデッキをリビングの延長に設置することも増えてきました。
木材を雨ざらしにすると必ず木が腐るために、一昔前には一般的ではありませんでした。 木材のやさしさが好まれ始めたこと以外にも、防腐性能の向上などもそのひとつの要因でしょう。
木の腐る原因はなんでしょう?
『腐朽菌』が木材の成分を栄養源にして成育することにより、木は腐ります。『腐朽菌』の成育のためには、栄養、酸素、温度、水分が必要になるので、このうちのどれかを断つことによって、その成育を止めることができます。ですから、木は風通しを良くして乾燥させておくか、空気(酸素)に触れないように水中に沈めておくと腐ることはありません。
建物に木を使用する場合、水中に使用することはあまりありませんから、常に風通しが良い状態にし、湿気が留まらないようにすることが必要です。
次にウッドデッキを長く使用するための大きな2つのポイントを説明します。
1.ウッドデッキに使用する材質(樹種)を選ぶ。
辺材ではなく、心材を利用するようにしましょう。心材には殺菌性の高いフェノール性成分が含まれています。
次に耐朽性、耐摩耗性の高い材を選ぶことです。ヒノキやレッドシーダー(ベイスギ)などは、耐朽性は高いので腐りにくいのですが(ヒノキ風呂も同様)耐摩耗性が低く、加圧に対する強度性能も劣ります。
もっとも最適な材を選ぶのであれば、耐朽性、耐摩耗性の高い材で、かつ人が日々重圧をかけても大丈夫な強度を兼ね備えた材を選びましょう。
現在最も適しているとされているのがイペ材やウリン材(ベトナム・マレーシアなどの南陽でとれる樹種)とされています。
これらの材は大変材が硬く、防腐剤などを塗布せずにそのまま使用しても、10年以上は問題ありません。ただしホームセンターなどでは入手しにくいです。
2.ウッドデッキ材に防腐加工・塗装などを施す。
これは雨風のあたる場所に木を設置する場合には、必ず必要となる作業です。加圧注入方式といって材木に防腐剤を全体にしみ込ませる方法もあります。
1.で選択した材質の特性にあわせて、定期的に塗装メンテナンスを心がけましょう。通常の材であれば、2,3年おきには行いたいものです。
この2点を十分に考慮すれば、リビングとしてのウッドデッキをより長く美しく楽しめます。